新銀行東京が示すサブプライムの類似点と現代金融危機の根本

新銀行東京は、石原慎太郎東京都知事の肝いりで東京都が1000億円出資、2005年4月に開業した事実上の都営銀行。
それがたった二年で当初資本金の8割近くを食いつぶしてしまった。
普通銀行での頭取、社長にあたる代表執行役、森田徹代表執行役(57)が体調不良が退任することになった。
体調不良が理由とは、誰でも同情できる強烈なストレスだろう。
実は今年6月にトヨタ出身の仁司泰正氏が退任し、森田氏は実質5ヶ月しか在任しなかったことになる。
わずか半年でトップが2度も交代するのは異例中の異例だ。


 当時、不良債権処理に追われていた大手銀行が弱い立場の中小企業に対して貸し渋りや貸しはがしをやり、国会で問題になった。こうした状況に業を煮やした石原知事が「高い技術力を持つ中小企業が日本の命運を左右する」として、中小企業向け融資を柱とする同行を立ち上げた。

 その立派な志をよそに迷走しているのは、最大のセールスポイントになっている迅速な審査の無担保融資が、巨額の不良債権を生んでしまっていることにある。

アメリカが原因があるサブプライム問題で日本でも多くの金融機関が打撃を受けているが、新銀行東京の場合は純然たる日本の首都東京都内の中小企業経営者層、つまり社長さんたちの焦げ付き貸し倒れだという点に、大きく目を向けなければならない。


# サブプライム難民発生の理由
# いまさら聞けないサブプライム問題とは?


わが国企業の数に占める中小企業の割合は、99.7%だ。つまり、政府や日銀がいくら景気回復と発表しても庶民の実感は沸かない証拠がここにあるといえる。

新銀行東京、転落の軌跡を辿ってみよう。

不良債権処理損失
開業1年目=約17億円
開業2年目=206億円
開業3年目の今年3月末時点の不良債権比率は6.42%。
森田氏退任の現状不良債権比率は10.17%にまで上がっており、金融関係者は「しょせん素人銀行だ。中小企業を支援するつもりで、再生の見通しのない会社にまで貸し出してしまっているのではないか」と手厳しい。
事実、今年6月まで代表だったのはトヨタ出身の仁司泰正氏だった。
その尻拭いにキチンとりそな銀行出身の森田徹氏が就任したばかりだった。

なぜこんなことになったのか? 
新銀行東京の最大のセールスポイントになっている迅速な審査の無担保融資は、スコアリングモデルという貸し倒れ予測自動判定プログラムに任せきりになっていたからだ。

コンピューターまかせのスコアリングモデルでは、社会の変化や金融環境の変動に伴い必ずしもモデルが有効に働かないケースは多々発生する。
十年近くも前の1998年、ロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)破綻事件は、二人もノーベル経済学賞受賞者が設計したスコアリングモデルが脆くも崩れ、13兆円の世界的損失を引き起こした。
そんな失敗をまたも繰返しているのだ。

この異常事態に石原慎太郎知事は「起死回生の妙案がそうざらにあるものじゃない」「経営状況は厳しく、もっとシビアに経営改善を進めていく必要がある」と語ったが、前途は多難だ。


産経新聞の報道による「金融庁関係者が明かす本音の部分」は実に恐ろしいことを語っている。

 「赤字体質の改善は容易ではないだろう。石原知事もいろいろ動いてはいるが、資金面で支援してくれるスポンサーは見つかっていないようだ。残る道は資産の切り売りによる規模縮小くらい。それでもダメとなった場合、最悪、“廃業”もあり得ない話ではない」



この損失は、まるまる東京都民の血税、そして日本の首都の危機につながるのだから。

もっと沢山知りたい方は、左のメニューからどうぞ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080107-00000077-san-bus_all
2008年01月08日 | Comments(0) | Trackback(0) | 経済
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